日本科学未来館は、2023年3月2日から、常設展示 零壱庵にて公開中の「『AKIRA』の音 不朽のアニメ映画を彩る未知のサウンド」において、『AKIRA』の音楽を手掛けた山城祥二(芸能山城組主宰、本名:大橋力)の音楽制作の背景にある世界観を表現した新映像を、本展示のために制作された『交響組曲AKIRA』の新リミックス音源とともに追加公開しました。

(以下、日本科学未来館の3月1日付プレスリリースから)
1988年公開の映画『AKIRA』の音楽は、山城氏独自の制作手法とフィールドワークで収集した世界の民族音楽の手法をもとに生まれ、『AKIRA』ならではの世界観を支えています。

自然科学者としての顔をあわせもつ山城氏は、研究を行いながら、芸能山城組を創立して音楽活動も展開していました。その活動の中で『AKIRA』原作者であり監督の大友克洋氏から熱烈なオファーを受け、『AKIRA』の音楽を制作することになります。『AKIRA』の「破壊と再生」という本質的テーマに、自身の研究する「生命の自己解体」理論との共鳴を見いだした山城氏は、その研究を背景に世界各地で音を集め『AKIRA』のサウンドトラックを創作。これは、作曲家であり研究者であるという、山城氏ならではの観点から生み出された異質の映画音楽といえます。

2021年3月から公開している零壱庵「『AKIRA』の音」は、未来館のディレクションのもと、芸能山城組と共同制作されました。会場内では山城氏自身が設計したサラウンドシステムにて、映画『AKIRA』の音世界を体験できます。

今回の追加展示では一歩踏み込み、山城氏の研究思想と『AKIRA』の世界観の“接点”を新たな展示映像で紹介。さらに、アルバム『交響組曲AKIRA』より楽曲「回想 ILLUSION」「未来 REQUIEM」などを盛り込んで芸能山城組が特別に制作した約7分のリミックス音楽を、本展示独自の6.1ch 192kHzサンプリングでのハイレゾサラウンドシステムで公開します。追加展示の視聴覚体験によって、『AKIRA』の音を生み出した山城氏の世界観を、より深く感じることができます。

会場内には、山城氏が収集した舞踏仮面や、劇中でも使われた民族楽器「ガムラン」、『交響組曲 AKIRA』から楽曲「金田」の楽譜、大友克洋氏による貴重な映画の絵コンテを展示しています。

なお、本展示は本年3月31日で終了します。この機会にぜひ高解像度の音体験をお楽しみください。

追加展示概要

追加展示タイトル  零壱庵「『AKIRA』の音 不朽のアニメ映画を彩る未知のサウンド」プレリュード
追加展示公開日     2023年3月2日(木)
展示エリア          3階 常設展「零壱庵
特別協力             芸能山城組(山城祥二、仁科エミ)
企画制作             日本科学未来館
お問い合わせ       日本科学未来館
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